ウィズ~オズの魔法使い~ を観た

3/18の昼公演観てきたので、今更ながら感想を。キャストは田野/岡本回です。

田野優花ちゃんが好きだから、という単純な理由で観に行った。
ただ私は芝居やミュージカルも好きでちょいちょい観に行くので、田野ちゃんに関してはちょっと厳しい目線で見ようと思っていた。
が、そんな考えはすぐに吹き飛んだ。
舞台にはちゃんとドロシーがいた。
ドロシーを演じているわけだから当然なんだけど、確かにドロシーがそこにいた。
背丈や年齢がドロシーのイメージに合っていることももちろんあるけど、落ち込んだり、戸惑ったり、笑ったり何をしてもドロシー。
ドロシーが異世界(夢の世界だっけ?)に飛ばされる頃には田野ちゃんを見に来たことなどすっかり忘れて舞台にのめり込んでしまった。

小劇場に行くことが多かったので、ライトや回転ステージをもりもり使った演出が新鮮で楽しかった!
ドロシーがかざした手に合わせて虹がかかる演出が素晴らしい。
役者もうまい人ばかりで、出番の多いドロシー、かかし、ブリキ、ライオンはそれぞれがいい味で息が合ってる。
ライオンのエハラマサヒロさんはもともと知ってたのに終わるまでその人だとは気づかなかった。こうも多才な人だったとは……恐ろしい子
若干不満(というほどでもないんですけどね)に感じたのは魔女を倒してからウィズに会うくだり。まあ最終決戦ですから長いのも仕方ないんですけど、基本がウィズの語りで進むからちょーっと長く感じた。何回も笑わせてもらいましたが!

印象的だったのは、ドロシーが歌うHOME!
結局遠回りせずとも家には帰れたわけですが、仲間たちに出会えたことは決して無駄じゃない。
冒険を経験して成長したドロシーが気持ちを歌い上げるクライマックスであり一番大事なシーン。
オーディション最終審査まで残った子たちでもまともに歌いきれる子は少ない難易度の高い曲がHOMEであり、田野ちゃんはオーディション時はまだまだ厳しい出来だったと思う。
本番では別人のように仕上がっていた。
気持ちも声もばっちり三階席まで届く。
言葉の意味を一つ一つ噛み締めるように本当に丁寧に歌う。
まずきちんと歌えないと歌詞の解釈や感情を乗せるのって出来ないから、技術から徹底的に練習したんだろうな。
舞台にはセットもなくライトも究極にシンプルな白一色で、いるのはドロシーただ一人。
(ここまで書いといて自信なくなってきた!他にも人がいたかもしれない、ごめんなさい)
基本的にカラフルで賑やかな舞台だから、これだけで強烈に印象に残る。
そこにドロシーの力強い歌も合わさって、このシーンは泣けた。
私は学生向けの安いチケットだったので三階席から見てて、一階キャストとハイタッチとかしてるしちくしょー!この出来なら高い金額払ってもよかった!て少し後悔してたけど、三階席でよかったと感じたのがこのHOMEのとき。
天を見上げるような目線になったとき、三階席がかなり高いからこっちを見られてるような気分になれる!w
あと鑑賞中は舞台に感動して泣いたけど、帰宅後にオーディション時の映像見て成長っぷりにまたなんか泣けた。

とにかく田野ちゃんのすごさを思い知らされた舞台でした。
舞台単体としても楽しめる出来だし、オタとしては田野ちゃんが技術的にも、きっと精神的にも成長したことがびしびし伝わる。
技術的なことは見てもらわないと伝わらないから気になる人には是非是非見てほしいな。オーディションも公開稽古も過去にする上達っぷりだし、恐らく本番積んでく中でも進化してるはずです。

今回は田野ちゃんにとってやりやすい役だったことに助けられた部分も大きいと思うので、今後に期待大です。
素直に共感できる役や場面ではないシーンに出会ったときどう乗り越えるか。
つくづく今後が楽しみな女優さんだ……。


余談。
田野ちゃんがすごすぎて、一気に遠い存在に感じたのですけど、カーテンコールのときはまた違った。
陣内孝則さんが隣で手を繋いでいたんですけど、そのとき「田野、泣け!」っておっしゃったんですよw
そしたら田野ちゃん間髪いれずに泣き真似で喋りだして!w
稽古場で可愛がられてる田野ちゃんが容易に想像できたし、中身は(いい意味で)変わってないんだなあ、と。
これ毎回やってるのかな?本当に面白かった。

(4/29追記)


衣装のディテールまで確認できなかったんですけど、こんなビジューついてたんだ!
無事千秋楽を迎えたようです。皆さん本当にお疲れ様でした!